過去最多の9人が立候補した”異例ずくめ”の自民党総裁選挙の投開票では、”異例”のルールも作られた。
携帯・スマホの使用自粛や、決選投票前に上位2候補者がスピーチするなど、新しい試みが見られたが、中にはルールを破り、その場で電話をかける議員もいた。
石破氏「カレーは飲むもの」決選前に験担ぎ
決戦を前に頬張るのは、験担ぎのカツカレーだ。
この記事の画像(24枚)高市早苗氏:
みんな食べられなかったのか、カツカレー。
石破茂氏:
カレーは食べるものじゃなくて飲むものです。
小泉陣営:
新時代の扉を開けよう!
勝てば、“女性初”の総裁となる高市氏か、悲願達成となる石破氏か、はたまた、史上最年少の総裁選となる小泉氏か…
“三つどもえ”の戦いの決着の裏に何があったのか、カメラが追った。
スマホ使用自粛の”異例ルール”
自民党は27日午後、総裁選挙の投開票を行った。
事実上の次の首相となる、自民党の新たな総裁に選ばれたのは、石破茂氏(67)。
挑戦5回目で、悲願達成だ。
異例ずくめの総裁選では、投票日の27日も、異例のルールが呼びかけられた。
投票直前に議員たちが、険しい表情で見ていた携帯やスマホの使用自粛を初めて求めたのだ。
上位2人の候補による決選投票が決まった直後、両陣営や決戦に残れなかった陣営の間で、スマホのメッセージなどを使い、最後の“票の奪い合い”や“誰に乗るか”が起きることが予想されていた。
そのため、“開かれた投票”を呼びかける党側が、投票は議員個人の判断で決めてもらうため、会場での“スマホ自粛”を呼びかけたのだ。
ルール破りスマホ見せる議員も…
それにもかかわらず、1回目の投票の集計中スマホを見る議員の姿があった。
画面に映っていたのは、党員票の数字だ。
上位2人が高市氏と石破氏であることを、隣の議員にこっそり見せていた。
さらに2列前では、堂々と電話をかける議員も。
隣の議員から注意されていた。
そして、メモ帳に票数を書き込んでいる議員も見られた。
集計中には、「委員長、早くやってくださいよ!みんな選挙区で仕事があるんだから!」というヤジが出た。
上位2候補の”異例”スピーチも
注目を集めた1回目の投票結果は、1位は地方票トップの高市氏で、2位が石破氏だった。
総裁選に初挑戦した小泉氏は3位で、決選投票に進むことはできなかった。
その目には、涙が光っているように見える。
そして、決選投票直前にも新たなルールが作られ、上位2候補がスピーチをして支持を訴えた。
実は自民党の総裁選では、これも異例だ。
石破茂氏(決選投票前):
もう一度、一人一人に笑顔が戻ってくる、そういう日本を必ずつくってまいります。
高市早苗氏(決選投票前):
いろんなものから命を守れる日本列島を一緒につくって、次の世代に受け渡していこうじゃないですか。
決勝投票は事前にすり合わせか
1回目の投票で敗れた陣営は、決選で誰に投票するのか。
この段階では、スマホを使う議員は映像を見るかぎり、いなかった。
その一方で、投票に向かう岸田首相が若手議員に、笑顔で声をかける場面もあった。
党内唯一の派閥・麻生派の麻生副総裁は、険しい表情で投票したあと、なぜかニコリ。
さらに席に戻ると、隣の岸田首相と笑顔で話し込む様子もあった。
投票先のすり合わせはあったのだろうか。
現場で取材していた記者に話を聞いた。
総裁選を現場で取材したフジテレビ政治部・阿部桃子記者:ジェスチャーやスマートフォンを使って意思疎通している様子は見られなかった。取材をしていても、昨夜からけさにかけて旧派閥を中心に、“この場合はこの人に投票しよう”と事前にすり合わせていたようでした。
自民党トップとなった石破氏。
第102代の首相として、石破政権誕生へと動き出す。
(「イット!」9月27日放送より)
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