自民党総裁選の開票作業をする県連の関係者ら=千葉市中央区で2024年9月27日午前9時53分、松尾知典撮影

 自民党総裁選が27日あり、石破茂元幹事長が選出された。過去最多の9人が立候補したが、県内選出議員からも、小林鷹之前経済安全保障担当相=衆院千葉2区=が初挑戦した。小林氏は1回目の投票で60票を獲得。全体の5位と善戦した。

 千葉市中央区の自民党県連ではこの日、午前9時50分ごろから県内の党員・党友票の開票作業が始まった。県連によると、投票権を持つ県内の党員・党友は3万1523人で、うち投票総数は2万116票だった。投票率は63・81%と、2021年9月の前回総裁選の66・16%を下回った。無効票は109票だった。

 県内の党員・党友票では決選投票に進んだ高市早苗経済安全保障担当相が5917票と有効投票数全体の約3割を獲得し、首位。石破氏が5184票(26%)と続き、小林氏が4473票(22%)で3番手だった。

 全体では、国会議員票368票と党員・党友票368票の計736票で争った1回目の投票で、小林氏は計60票(議員票41票、党員・党友票19票)を獲得。高市氏の181票▽石破氏154票▽小泉進次郎元環境相136票▽林芳正官房長官65票――に続く5番目だった。

 小林氏は岸田文雄首相が総裁選不出馬を表明した5日後の8月19日、候補者のトップを切って出馬を正式に表明。告示日翌日の今月13日と投開票日前日の26日にはJR津田沼駅前(習志野市)やJR幕張駅前(千葉市花見川区)で街頭演説をし、市民や通行人らが小林氏の訴えに耳を傾けた。地盤とする千葉2区の県議や市議ら地元議員も独自に街頭に立ち、小林氏への支援を呼びかけた。

 小林氏の戦いぶりに、自民県議の一人は「意外と県内で票が取れなかった。知名度や露出も大切で、政策をいかに聞いてもらうかが課題だ」と話した。別の県議は「(小林氏は)討論を聞いても、しっかり受け答えできていた。外国とも渡り合うことができる。次も総裁選にチャレンジすれば、今回以上に期待できる」とエールを送った。

 自民県連会長の桜田義孝・衆院議員は「(石破)新総裁と共に一致結束して国家国民のために政策を実現していけるものと、大いに期待している」とのコメントを出した。

 新総裁の誕生に、国会で自民と連立を組む公明党県本部代表の平木大作・参院議員は「(石破氏は)公明党も重点政策に掲げる防災省の創設を主張されていたことが特に印象に残っている」とした。また、立憲民主党県連代表の奥野総一郎・衆院議員は「(石破)新総裁になり、国会での建設的な論戦が期待できる。野田佳彦代表との党首討論をぜひ見てみたい」と話し、共産党県委員会の小倉忠平委員長は「自民党の『表紙』だけを変え、新首相が注目を得ている間に総選挙をやってしまおうという党利党略は許されない」とけん制した。【柴田智弘、松尾知典】

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