石破内閣の発足を受け、共同通信社が10月1、2両日に実施した全国緊急電話世論調査で、内閣支持率は50.7%となった。不支持率は28.9%だった。8月の岸田内閣に対する支持については、「支持する」が26.1%、「支持しない」が67.4%だった。共同通信社によると、2001年以降の歴代内閣発足時における支持率は、2001年に発足した小泉内閣の86.3%が1位で、2009年の鳩山内閣が72.0%、2020年の菅内閣が66.4%と続く。政党支持率では、自民42.3%(前回の8月調査は36.7%、以下同)、立憲11.7%(12.3%)、維新5.4%(8.5%)、公明4.1%(4.2%)、共産4.0%(4.2%)、国民民主3.9%(2.8%)、れいわ2.5%(3.3%)、社民0.4%(1.0%)、参政1.1%(2.3%)となった。

石破茂総理は4日午後、衆参両院の本会議で、内閣発足後、初となる所信表明演説を行った。石破総理は、地方創生の交付金倍増を打ち出し、防災庁設置の準備、自衛官の処遇改善について語った。外交・安全保障では、持論の日米地位協定改定や、アジア版NATO創設などには触れなかった。金融所得課税の強化、北朝鮮への連絡事務所開設も、演説での言及は見送られた。

石破総理の所信表明演説に対し、野党からは厳しい批判が相次いだ。立憲民主の野田佳彦代表は、「総裁選挙の時には極めて具体的に熱っぽく語っていたことが、全然入ってない。(衆院選で)何を問うのか、本当にわからなくなった」と酷評した。日本維新の会の馬場伸幸代表は、「総裁選挙の時にはアジア版NATOを作ると言っていた、対北朝鮮についても、お互いの連絡事務所を設置すると言っていたが、ないないづくしの所信表明演説ではなかったかなと思う」と指摘した。国民民主の玉木雄一郎代表は、「石破カラーが脱色され、石破さんの演説なのかと思うぐらいカラーも思いも熱意もない、そんな演説だったのでは」と語った。また、れいわの山本太郎代表は、「必要なことは言っていくのだ、国民のためにというような石破しぐさというものは、もう既に死んでいる。総理大臣になるために魂を売ったという結果だ」と批判した。

石破総理は1日、各会派への挨拶回りで「教育無償化を実現する会」の前原誠司代表(日本維新の会への合流を表明)に面会した際、前原氏が、「石破カラーを出して頑張ってください」と激励したところ、石破総理は、「(石破カラーを)出すと国民は喜ぶ、党内は怒る」とこぼした。
石破総理は当初、国会での本格的な論戦後に、衆院を解散する方針を示していたが、早期解散に舵を切った。共産の田村智子委員長は、「最初から論戦から逃げるという姿勢を示しての石破新総理の誕生ということで、やはり国民の前で国政の重大課題をきっちり議論する内閣であってほしい」と苦言を呈した。社民の福島瑞穂党首は、「こんなに早く嘘をついていいのか。総裁選終わって次の国会の冒頭でこんなに嘘ついていいのか。これはもう『嘘つき内閣』だと思う」と批判した。また、参政の神谷宗幣代表は、「ほぼすべての政策が我が党と反対なので、本当にすべてについてこれからの国会で、反対をしていかないといけないと考えている」と語った。

石破総理は、早期の解散総選挙を巡り、総裁選中の9月14日に、「国民が判断する材料を提供するのは、新しい首相の責任だ。本当のやり方は予算委だ」と主張していたが、総裁選出後で総理就任の前日には、「新政権はできる限り、早期に国民の審判を受けることが重要であると考えており、諸条件が整えば、10月27日に解散総選挙を行うと考えている」とあらためた。

麻生太郎最高顧問と茂木敏充前幹事長は2日夜、東京都内のフランス料理店で2人だけで約4時間にわたり会食した。石破政権発足を踏まえ、党内情勢をはじめ、衆院選を含めた今後の政局の見通しについて、意見交換したとみられる。茂木氏は、「これから色んな動きがあるなかで、2人で引き続き連携してやっていこう」と会食の目的を明かした。麻生氏は、「(総裁が)決まったからには、日本のため、地域のため、自民党はその力を発揮していかねばならない」と語った。

★ゲスト: 久江雅彦(共同通信特別編集委員)、中北浩爾(中央大学教授)
★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/元テレビ朝日政治部長)

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