林芳正官房長官

 林芳正官房長官は11日の記者会見で、10日(日本時間11日)の日米首脳会談で自衛隊と米軍の相互運用性を強化するために日米の指揮統制の連携強化で合意したことを巡り、「自衛隊が米軍の指揮統制下に入ることはない」と述べ、自衛隊と米軍の一体化を否定した。

 自衛隊は2024年度末までに一元的な部隊運用を担う「統合司令部」を新設する。これを踏まえ、10日に発表された日米共同声明は「米軍と自衛隊の相互運用性の強化のため、日米の指揮・統制枠組みを向上させる」と明記した。これに対し、有事で日米の指揮命令系統が一体化し、自衛隊が米軍の指揮下に組み込まれるとの懸念が出ている。

 林氏は「自衛隊による全ての活動は日本の主体的な判断のもと、憲法や国内法令などに従って行われるものであり、自衛隊と米軍はおのおの独立した指揮系統で行動をしている。これを前提として、いかに日米間の連携を強化できるかという観点から、日米の調整要領について検討していく」と説明した。【鈴木悟】

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