出直し選を制し、再び兵庫のリーダーとなった斎藤知事は20日、県議会の各会派に就任のあいさつをしました。不信任を突き付けた県議らはどう受け止めたのでしょうか。

【兵庫県 斎藤元彦知事】「失礼します。すみません遅くなりました」

再び「知事」となって2日目の11月20日。兵庫県議会の議長や各会派にあいさつ回りを行った斎藤知事ですが、相対するのは、わずか2カ月前に県政の停滞などを理由に斎藤知事への不信任決議を全会一致で突き付けたばかりの県議たちです。

あいさつの詳しいやりとりはどの会派も完全非公開。ただ、中には拍手で迎えられる場面もありました。

【兵庫県 斎藤元彦知事】「握手もさせていただきましたし、私としては選挙が終われば対立候補を応援していたとしても、してなくても、県政を前に進めていくことが大事ですから。対立、分断より融和。大きな兵庫県ですから、みんなで前に進めていくような形を作っていきたいと思います」

斎藤知事からのあいさつを受けた県議たちは…。

【維新県議団 門隆志幹事長】「(Q和やかで和気あいあいとしていた?)そうですね。別に怒っている人もいないし」

【維新県議団 岸口みのる団長】「(知事から)しっかりコミュニケーションとっていきましょうという話がありました。議会とも職員とも、しっかりと図っていきたいと表明がありました」

【自民県議団 北野実幹事長】「(知事は)選挙戦も終わって、今後は第一会派の自民党と一緒にしっかり県政運営をやっていきたいので、よろしくお願いしますと。時には“VS”になることもありますけど、県民という同じ方向を向いて、ともにしっかりやっていきましょうという話をさせていただきました」

■自民党内で知事との向き合い方に“温度差”

そんな中、独自候補を擁立できなかった最大会派の自民党内では、知事との向き合い方にすでに温度差があるといいます。

【自民党 兵庫県議】「斎藤派と反斎藤派でしこりがあるのは事実。知事とコミュニケーションがとれなければ、会派内での分裂も危惧される」

県民のために議会と知事が同じ方向を向いて県政を進められるか注目されます。

■非公開になったあいさつ回り「堂々とやったらいい」と鈴木哲夫氏

不信任を突きつけた議員と斎藤知事が対面しました。兵庫県議会はこれからどうなっていくのでしょうか。

【ジャーナリスト 鈴木哲夫さん】「気になったのは、今回対面の場にカメラを入れなかったでしょ。基本ですが、地方自治体というのは二元代表制です。知事も県民が直接選ぶけれども、議員の皆さんも県民が直接選んで、お互いにチェックアンドバランスでやってくださいということなんだから。

 知事選で今回こういう(斎藤知事が当選する)結果になったけど、議員だってちゃんと県民の負託を受けて、チェックのためにいるわけだから、堂々と会って、堂々とやれることはやるし、対立もしますよと、そういうふうに堂々とやったらいい。

こうやって見せなかったりすると、何か気遣いながら、何かあるのかと思わせる。こういうところを透明にしようというのが、今回の最大のポイントだったんじゃないですか」

今後さまざまな疑惑の解明が、百条委員会で進められることになります。

【関西テレビ 加藤さゆり報道デスク】「私はきょう、兵庫県の自民党関係者に話を聞いてみたのですが、今回、斎藤さんに民意がきたわけですが、その民意があるからといって、百条委員会の結論がぶれることはあってはならないということは、念を押されていました」

疑惑の解明と、県政の停滞解消に、果たしてつながっていくのでしょうか。

(関西テレビ「newsランナー」 2024年11月20日放送)

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