7月25日の記録的な大雨で、山形県では警察官2人と86歳の女性の合わせて3人が死亡しました。

県などによりますと、住宅の浸水被害は、日本海側の庄内地方や北部の最上地方を中心とした合わせて16市町村のおよそ1400棟で確認されています。

6日の時点で、酒田市や戸沢村など合わせて5市町村の230人が避難所での生活を余儀なくされていて、県や市町村は仮設住宅の建設や公営住宅への入居について検討を進めています。

また、土砂崩れが相次いだ鮭川村では、山の斜面が崩れるおそれがあるとして、10地区の97世帯に避難指示が継続して出されています。

このほか、農業にも大きな被害が出ていて、田んぼに土砂が流れ込むなどして農林水産分野の被害は推計で合わせて80億円に上っています。

住まいの確保や農地の復旧など生活再建には時間がかかる見通しで、国や自治体による継続的な支援が求められています。

国道47号 きょう夕方から片側交互通行へ

記録的な大雨の影響で、山形県の庄内と最上を通る国道47号は、戸沢村高屋地区で道路が崩落して、およそ8.5キロの区間で通行止めが続いていました。

山形河川国道事務所によりますと、応急復旧の工事が終わり、9日午後4時をめどに片側交互通行ができる見通しになったということです。

庄内と最上を通る国道の全面通行止めは、およそ2週間ぶりに解除されることになります。
山形河川国道事務所は「庄内と最上をつなぐ重要な生活道路で、通勤などで利用する人もいる。今後の雨の量などで通行規制をする場合があるので、最新の情報に注意してほしい」としています。

また、日本海東北自動車道は、山形県遊佐町の遊佐菅里インターチェンジと遊佐鳥海インターチェンジの区間で路面が大きく陥没し通行止めになっていましたが、酒田河川国道事務所によりますと、9日午後3時をめどに通行止めを解除する見通しだということです。

山形 酒田 コメの乾燥貯蔵施設 復旧作業に追われる

山形県酒田市の松山地区にあるコメを乾燥・貯蔵させる施設「カントリーエレベーター」は、今回の記録的な大雨で2メートルの高さまで浸水し、施設内には大量の泥などが流れ込みました。

9月からコメの収穫が始まるのを前に、施設では毎日、管理している農協の職員などおよそ20人が床を水で洗い流したり水につかった机などを運び出したりしています。

施設の地下には収穫した「もみ」を保管する深さ4メートルの貯蔵庫がありますが、大雨で完全に水没し、ポンプを使って排水作業を行ったということです。

JA庄内みどり松山支店の佐藤暢支店長は「まだ手つかずの部分もあり、進み具合としてはようやく半分程度だと思う。今月20日ごろには復旧させたいが、働きづめの人もいるので、お盆休みをはさみながら進めていきたい」と話しています。

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